シリーズ 第5回防衛省説明会質疑応答  その1.「石垣島への陸自配備は、抑止力になるか?」 

 以下のURLをクリックして、質疑応答の動画(447秒)をご覧ください。

https://drive.google.com/open?id=1fEEU5OG33w0Ydzu-a0H9hiEJpt86uFhp


 質問者は、
(1)米軍によれば、中国は、先島を射程に収める弾道ミサイル、巡航ミサイルを千数百発も備えている。その中には、PAC3でも落とせないものもある。
(2)有事になれば、配備部隊は大量のミサイル攻撃の標的になり、全滅必至と多くの専門家が指摘している。だから、抑止力には全くならない。島は焼け野原となり、島民に犠牲者が出る。
(3)その先に想定されている奪回戦となれば、島は激戦場になり、さらに多くの犠牲者が出る。
(4)配備しなければ、国際法に守られるので、そうした事態にはならない。
(5)あえて部隊を配備してそういう事態になった時に、防衛省はどう責任を取るのか?
と尋ねています。
 これに対する防衛省の返答は、(1)〜(4)には全く触れず、反論もしていません。ただ、「このたびの配備は、相手国の侵入に対応できる態勢をとることによって侵攻する意図を起こさせないようにするのが大前提。そのために、防衛の空白を埋めるように配備するのです」とくり返しています。そして、(5)の質問には、答えようともしません。
 「抑止力」とは、「侵攻の意図を起こさせない」力のことです。だから、防衛省が言っているのは、「抑止力になるように配備する」ということです。しかし、質問者は、根拠を示して「抑止力にならない」と批判しているのです。これに反論もせずに、ただ「そうなるように配備する」と言い張るのでは、かみ合った議論にはなりません。もちろん、回答にも、「丁寧な説明」にもなりません。
 しかも、良く聞いてみると、「〜になるように配備する」とは言うものの、「抑止力になる」と断定することは、注意深く避けています。つまり、防衛省の「意図」ないし「願望」を語るだけで、そうなるという保証は、全く与えていません。
 石垣島に地対艦・地対空ミサイル部隊を配備したところで、島を戦場にしないという意味では何の抑止力にもならないことは、質問者が言う通り、当たり前のことです。しかも、地対艦ミサイルは、尖閣諸島や宮古海峡付近など、東シナ海で有事が発生したときに相手の軍艦を攻撃するために置かれます。これはむしろ、島に戦争を呼び込むものです。だから、防衛省も、全く反論できず、あとで責任を追及されるような断定も避けて、ただ「願望」を語って住民をあざむき、多くの人の命に関わる危険な計画を押し通そうとしているのです。島が焼け野原になっても、責任を取る気などさらさらなしに。

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