シリーズ 第5回防衛省説明会質疑応答  その5.「憲法第95条によれば、配備には住民投票が必要ではないか?」

 2019213日の防衛省説明会での質疑です。下記のURLをクリックして動画232秒)をご覧ください。

 https://drive.google.com/file/d/1fXNCG-yiSSDRGVla3epv_f8d0tgeV5BN/view?usp=sharing

質問者は、
 日本国憲法第
8章「地方自治」の第95条によれば、自衛隊の基地あるいは駐屯地の配備のような特別法の制定は、その地域の住民投票で過半数の同意を得てから国会で審議して決めるとされているが、石垣市ではまだ住民投票はされていない。それなのに着工するというのは順序が逆で、違法、無効ではないか?
と尋ねています。
 これに対して防衛省は、
 
201511月に石垣市に申し入れて以来、説明会を行い、施設配置案も示して準備を進めており、配備が重要と考えているので、引き続き進めていきたい。
と言うだけで、肝心の憲法第
95条にはひと言も触れません。
 憲法第
95条は、質問者の言う通り、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」と定めています。
 ところが、これまで政府は、この条文はある特定の案件について「特別法」を制定する場合にだけ適用されるもので、自衛隊の部隊配備のように、閣議で決めて政府予算案が承認されれば実行しているものは対象外だ、という解釈をとってきました。
 しかし、例えば首都大学東京の木村草太教授などは、辺野古新基地建設のような一地方に大きな負担を強いる国の事業では、この条文に基づく住民投票が必要ではないかと主張しています。
 防衛省は、この本質的な議論には口をつぐみ、ひたすら「これまで進めてきたんだから進める」と言っています。まさに、「問答無用」とはこのことです。
 ただし、やり取りの最後で、「住民投票については、地方自治でいろいろな動きがあることなので、コメントを差し控える」と答えています。これは、中山市長のように「配備は国の専権事項だから住民投票は馴染まない」という態度は取らず、住民投票は地方自治の問題と認めた点で、重要な発言です。





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