シリーズ 第5回防衛省説明会質疑応答  その8.「私たちの大事な水源地の水系調査もせずに、工事を始めるのですか?」

 2019213日の防衛省説明会での質疑です。下記のURLをクリックして動画(1119秒)をご覧ください。

https://drive.google.com/file/d/17xHPgUnFUSg74yTxzCV1BAyFoU2ho3Rc/view?usp=sharing

質問者は、

@ 防衛省は取材で「予定地は水源になっている、という意見もあるが...」という質問に答えているが、予定地の下流には石垣市の地下水取水口2箇所と農業用水取水口の平喜名堰がある。その上流を水源地と呼ばずに何と言うのか?

A ジュマール跡地の下は花崗岩だが、グラウンド予定地の下は石灰岩で、空洞、ガマもある。それらの現況調査もやらず、水への影響がどうなるかの調査もせずに、工事を始めて良いのか?

B 水はろ過し、油と分離して、きれいにしてから流すという説明だったが、普天間などで問題になった有機フッ素化合物PFOSなどのように、油と一緒には分離されず、水とともに流れ出す有害物質もあるのではないか?

C そういう状態で、こそこそと予定地のわずか1%程度の土地で「着工」とはどういうことか。新川から北部まで全島の農地で利用する水のことだ。堂々と環境影響評価を行ってエリを正すべきではないか?

と訊ねています。

 これに対して、防衛省は、@とAについては、全く触れません。水源地と認めても否定しても、また、調査すると言ってもしないと言っても、あとで面倒になるからそういう質問は聞き流す。これが「丁寧な説明」でしょうか。

 Cについては、県の環境影響評価条例が改正されたから急いでいるわけではない、認められた予算を年度内に執行するのだ、説明会もしたし、7月に市長の了解も得た、手順は踏んでいる、環境を全く無視するわけではなく調べており、希少種が発見されれば移動させる、また、Bの関連では、建物や舗装で雨水が直ちに地下に浸透はせず表面を流れるのは事実だが、どこにでもある側溝や集中槽にためて、石垣市とも相談して影響のない形で排出する、仮に油がこぼれて雨水と混じることがあっても、分離膜を通すので問題ない、などと、質問の肝心な点は避けて、ありきたりの説明をしています。

 PFOSなどの化学物質については、伊藤企画部長が引き取っていますが、「PFOSを用いた泡消火剤は自衛隊は使用していない」と言うだけで、油分離膜では除けない他の有害物質の有無については触れません。

 「環境調査はしても、環境影響評価はしないということか?」と確認されても、「今年度中に着工するので県の環境影響調査はしないが、希少種については防衛省として影響評価もしている」と言うだけです。

 結局、自然環境と言えば希少種のことだけで、水については、排水処理の問題だけだと考えているのです。

 最後は、「水については、一切触れないままですか?」と問われて、「はい」と答えて終わっています。

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