沖縄県は23日、昨年12月から今年1月に実施した米軍基地周辺の水質調査で、普天間飛行場、比謝川、天願川の周辺の15地点から、蓄積性のある有害物質の有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)やPFOA(ピーホア)が高濃度で検出されたと発表した。最高値は比謝川周辺にある嘉手納町の屋良ウブガー2100ナノグラムで、米環境保護庁の基準の30倍。2016年の調査開始以降で最も高かった。泡消火剤から分解生成される化学物質も検出されており、県は「地下水への泡消火剤の影響が示唆される」と分析した。
県は毎年夏と冬の2回、同様の調査をしている。18年11月に発表された前回調査では、普天間周辺の6地点で検出され、最高値は宜野湾市喜友名の2千ナノグラムだった。
今回の調査で、米環境保護庁が設定した生涯健康勧告値(1リットル当たり70ナノグラム)を超えて検出されたのは、普天間飛行場周辺で6地点、比謝川周辺で5地点、天願川周辺で4地点。
比謝川周辺では、嘉手納町と沖縄市の8地点を調査した。最高値の屋良ウブガー以外では、同町水釜の地下水が2千ナノグラム、同町の屋良ヒージャーガー1700ナノグラムだった。
普天間飛行場周辺では、宜野湾市や北谷町の湧き水や水路、地下水を16地点で調査。前回に引き続き、宜野湾市喜友名のチュンナガーで最も高く、1500ナノグラムだった。
7地点を調査した天願川周辺では、沖縄市川崎川上流の西側で1200ナノグラム、川崎川の別の地点で320ナノグラムだった。
県は、勧告値を超えた湧き水などを直接飲まないよう、関係する市町や自治会を通して住民に周知する方針だ。