2016年4月22日防衛省説明会で沖縄防衛局森企画部長が示した

「事前質問とそれへの回答」スライドの文字起こし



質問事項1〈石垣島との関わり〉

石垣島に自衛隊を配備して、一部の人や団体への金銭的利益というメリット以外のメリットはありますか。地元地域経済への影響(効果)はどのくらい見込まれるのですか。

隊員及び家族が来て、石垣市民が増えますが、経済効果は防衛省として、どの程度予測していますか。

回答:

 今般、平和と安全を守るために石垣市への自衛隊の部隊配備をお願いしているところ、必ずしも、自衛隊配備による経済効果について、確たる数字を持っておりません。


質問事項2〈石垣島との関わり〉

 駐屯地・基地等の近傍等に必要な宿舎の整備を進める計画ですが、石垣市に配備を計画している自衛隊基地以外に、自衛官の宿舎を整備するとのことでしょうか。どの程度の規模の宿舎建設を予定しているのでしょうか。

回答

 自衛隊駐屯地で勤務する自衛官は、自衛隊駐屯地内に居住する者と駐屯地以外に居住する者があります。今後、駐屯地外に居住する者が居住する官舎を建設する事になりますが、現時点で場所等について決まっておりません。


質問事項3〈石垣島との関わり〉

駐屯地が出来た場合、地元住民の雇用があるか。

部隊が配備されれば、駐屯地の中で一般市民も働き口があるのですか。給料はどれくらいですか。

回答

 採用された自衛隊員は、全国の自衛隊施設で勤務することになりますが、希望に応じて石垣市で勤務することもあります。

 給料等は、階級等によって異なりますので、詳しくは、自衛隊地方協力本部石垣出張所(連絡先0980-82-4942)にお問い合わせください。


質問事項4〈石垣島との関わり〉

自衛隊を配備して逆に砲撃された、観光客が来なくなって生計がたてられなくなった、農作物が作られなくなったという場合等の補償はありますか。なお、一回だけの石垣市民への説明会だけで既成事実化されないよう切に願います。

箱根駅伝等で自衛隊の車両が支援車両で走っていますが、石垣に配備される自衛隊も石垣マラソン及びウルトラマラソンを支援してくれるんですか。また地域行事またはイベントへの関わりがありますか。

回答

全国各所に自衛隊駐屯地等が存在しますが、観光に悪影響を与えたとの話は承知しません。

また、自衛隊は、駐屯地や基地を部隊活動に支障がない範囲で開放するなど、地域住民の皆様との交流に努めるほか、各種の運動協議会等において輸送の支援を行っております。


質問事項5〈石垣島との関わり〉

緊急搬送が早くなる様な話があるが、どうなのか。

回答

自衛隊は、医療施設が不足している離島等の緊急患者を航空機で緊急輸送している(急患輸送)。南西諸島や小笠原諸島の離島などへの派遣が大半を占めている。

 自然災害をはじめとする災害の発生時には、地方公共団体などと連携・協力し、被災者や遭難した船舶・航空機の捜索、水防、医療、防疫、給水、人員や物資の輸送などの様々な活動を行っています。


質問事項6〈石垣島との関わり〉

住民及び観光客などの生命を守るための巨大シェルターを建造する計画はありますか。
宮古島で予定されている駐屯地ではミサイル部隊の指揮所を地下に設けると報道されていますが、なぜ地下に作るのですか。防衛のためだとすれば、何からの防御ですか。石垣島の駐屯地でも地下指揮所を作るのですか。

回答

防衛省としては、「平得大俣の東側にある市有地及びその近辺」に隊庁舎、グラウンド、火薬庫、射撃場など全国の一般的な駐屯地に備わっている施設を整備することを念頭においていますが、詳細な施設配置などについては今後の基本検討等を進める中で確定していく事から、現時点では地下指揮所を建設するかを含め決定しているものではありません。

お尋ねの住民の避難については、地方公共団体において関係法令に基づき計画を作成するものと承知していますが、今後、防衛省としても石垣市とよく調整し、協力してまいりたいと考えています。


質問事項7〈石垣島との関わり〉

 新聞で自衛隊が来ると水が危ないとか、ダムが危ないとかありましたが、自衛隊が配備されると、水になんらかの影響があるのですか、農薬等で土壌への影響が現在心配されていますが、配備予定地の土壌を調べ現在の水質への影響を調べるのですか。

回答

 防衛省としては、自衛隊の配置や施設整備にあたって、住民の日常生活に支障を及ぼさないことは当然のことと考えており、ダムや飲料水に影響がでないよう事業を進めていく考えです。

 具体的には、以下のような措置を確実に実施していきます

建設工事実施時には、沖縄県赤土流出防止条例に基づく赤土等流出防止対策を適切に行います。

駐屯地設置後には、浄化槽で処理された排水の水質調査を実施します。


質問事項8〈石垣島との関わり〉

万一尖閣諸島周辺で武力衝突が発生した場合、石垣島に置かれたミサイル基地が相手方のミサイル等で攻撃されるおそれはありますか。あるとすれば、その攻撃にどのように対処するのですか。また、攻撃される恐れがないという場合、その判断理由を明らかにして下さい。

回答

「有事」の意味するところが必ずしも明らかではありませんが、石垣島に部隊を配置したことにより、標的になるようなことはありません。


質問事項9〈石垣島との関わり〉

 一般市民も自衛隊敷地内の施設、体育館、グランド、売店、喫茶店、クリーニング、散髪店、プール等を利用できますか。平得大俣地区に建設を計画している駐屯地内には、報道されている射撃場の他、体育館・グラウンド、温水プール等のスポーツ施設も建設されるのか、建設されるのであれば、その射撃場・体育館・グラウンド・温水プールなどの施設は島民に開放される事を予定しているかどうか、お答え願いたい。

回答

 防衛省としては、「平得大俣の東側にある市有地及びその近辺」に隊庁舎、グラウンド、体育館、火薬庫、射撃場など全国の一般的な駐屯地に備わっている施設を整備する事を念頭に置いていますが、詳細な施設配置などについては今後の基本検討などを進める中で確定していくことから、現時点では決定しているものはありません。

 また、駐屯地内に設置されるグラウンド等につきましては、部隊運用や財産管理に支障がない範囲で、付近の青少年の健全なスポーツ等の場としても活用を図っているところです。

いずれにしましても、石垣島の駐屯地に建設されるグラウンド等の使用につきましては、地元のご要望や駐屯地開設後の部隊運用を踏まえ、個別に調整させていただきたいと考えています。


質問事項10〈配備される部隊の性格〉

 平得大俣地区に駐屯地を建設する事を防衛省は検討しているが、駐屯地建設のための民間調査会社による調査報告書には、この平得大俣地区と思しき箇所は記載されていない。石垣島への自衛隊配備について民間調査会社に委託した調査報告書は、防衛省として十分満足できる内容であったのか、防衛省の見解を明らかにして頂きたい。

回答

 防衛省では、南西地域における警備部隊等の配置について、平成25年度に「南西地域(25)資料収集整理業務」を業者に発注したほか、防衛省職員による現地調査を実施し、これらの結果等を踏まえて、自衛隊の部隊の配置先について「平得大俣の東側にある市有地及びその近辺」との結果を得たところです。

 当省としては、これらの調査の結果、候補地の選定に至ったことから、当該業務の成果物に不足があったとは考えていません。


質問事項11〈配備される部隊の性格〉

 通常、駐屯地においては起床時や朝夕の国旗掲揚降納時、その他ラッパの吹奏があり、石垣島に計画されている駐屯地においても同様と思われるが、人によっては「騒音」となるこの音が、平得大俣地区を中心にどこまで響きわたるのか調査はなされているのかどうか、お答え願いたい。

回答

 ラッパの吹奏音の調査は行っていませんが、部隊配置以降の各種活動につきましても、地元の皆様の生活にも配慮しつつ、ご理解をいただけるよう努めて参ります。


質問事項12〈配備される部隊の性格〉

平得大俣に作ろうとお考えの駐屯地の面積を教えて下さい。市有地及びその周辺というのはどこですか。どのような範囲の土地を想定しているのか。

最終的なきっちりとした位置、面積、設備は。

回答

 防衛省としては、「平得大俣の東側にある市有地及びその近辺」に隊庁舎、グラウンド、火薬庫、射撃場等全国の一般的な駐屯地に備わっている施設を整備する事を念頭においていますが、具体的な部隊の配置先については現在、当省において引き続き検討しているところであり、また、詳細な施設配置等についても今後の基本検討等を進める中で確定していく事から、現時点で、お尋ねの駐屯地の位置、面積などについて確定していません。


質問事項13〈配備される部隊の性格〉

 今般、防衛省が石垣市へ配備を計画している自衛隊基地の造成にかかる予算の概算額はいくらでしょうか。また、それにより石垣市や関連事業者への経済効果はどの程度見込んでいるのでしょうか。

回答

 防衛省としては、「平得大俣の東側にある市有地及びその近辺」に隊庁舎、グラウンド、火薬庫、射撃場など全国の一般的な駐屯地に備わっている施設を整備する事を念頭に置いていますが、詳細な施設配置等については今後の基本検討等を進める中で確定していくことから、現時点で造成の予算額については決定していません。

 また、造成工事による石垣市や関連事業者への経済効果について、現時点でお答えする事は困難ですが、一般論として、石垣島内における作業員の雇用や資材の調達等が考えられます。


質問事項14:〈自衛隊の役割等〉

 安全保障での自衛隊の制約が解りません、自衛隊は戦争にいくのですか。解りやすく説明して下さい。

回答:

 日本を「戦争する国」にはしません。そのためにも、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中で、国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るために、外交努力とともに憲法の範囲内で安全保障努力を行うことにより、紛争を未然に防止したり、その拡大を防止して早期に終結させるといったことを、これまで以上に重視していきます。

 また、平和安全法制の整備後においても、「武力の行使」の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであり、憲法上許されないことは全く変わりません。

 我が国は、日本国憲法の下、戦後一貫して平和国家として歩んでおり、我が国の平和国家としての歩みは、これからも決して変わることはありません。


質問事項15:〈その他〉

 平得大俣地区近辺の農地では猪・雉・孔雀等有害鳥獣による農作物への被害に悩まされており、時おり猟友会により猟銃を用いた駆除が行われているが、平得大俣地区に駐屯地が建設された後も現状と同様に猟銃を用いた狩猟及び駆除活動が可能なのかどうか、お答え願いたい。

回答:

 有害鳥獣の駆除の可否については、当省がお答えする立場にございませんが、関係法令に沿って行われるものと認識しています。


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