石垣島専用高級食材、オオタニワタリ
石垣には日本でここでしか食べられていない珍しい食材があります。
島でもスーパーにはまず売っていない石垣市民でさえめったには食べられないレア食材です。
オオタニワタリというシダ科の植物で、10枚位の長い葉っぱが放射状に広がる形をした一種の山菜です。
絶滅危惧種に指定されていて本州南部から台湾にかけて生息しています。
絶滅危惧種食ってるんかい!!と怒られそうですが実は石垣市民が食べているのは
ヤエヤマオオタニワタリという近似種でこれは絶滅危惧種にはなっていないんですね。
石垣島に生えているものはほとんどがコレです。
本種との見分け方は、葉っぱの裏側の胞子嚢群が本種の場合葉っぱ全体に広がってますが、
ヤエヤマの方は短かくて葉っぱの半分程度であることで見きわめます。
もし本種を見つけたら大切に扱って拝んでくださいね。
石垣では庭のあるおうちなら観賞用に1株は栽培していたりします。
家族で食べる量を確保するなら大株が5株ほどは必要で成長が遅いので収穫は2週間に1回程度です。
真ん中から生えてくる新芽の柔らかい部分だけを食べるので1株から取れる量はほんのちょっとだけ。
下の方は固くて食べられないので上の方の柔らかい部分を収穫するんですが、その境目は初心者には分からないです。
慣れてくると、ポキッと折れる部分から上を収穫すれば良いことが分かってきます。
料理法はバター炒めもいいですが、なんと言っても天ぷらが最高!
独特の風味と食感が薄い衣にとっても合うんです。
個人的には大株から取れる茎の太いものが歯ごたえとジューシーさがあって好きですね。
山に入ると時々生えているんですが、日陰の岩や石垣に生えるという特性を持っているので岩や石垣を探すと見付かります。
時には他の木に寄生して生えている場合もあります。
この様子はバンナ公園に行くと見られますよ。
どこにあるかは教えてあげないので自分で探してくださいね。
バンナ公園はすごく広いので中々見付からないと思いますが、色んな場所を探してるうちに石垣の亜熱帯の植生の勉強にとてもなりますから。
植物好きの観光の方はぜひバンナ公園に行ってください、最強スポットです。
オオタニワタリは雨が少なくても生きられる生命力の強い野草なので食べると人間も生命力をもらえますよ。
そして自分で肥料を確保するという素晴らしい能力を持っています。
放射状の葉っぱの中心にスペースがあって、飛んできた葉っぱを受け止め自然に真ん中にたまるようになっていて、それが自然に分解されて肥料となるわけです。
まさに野生の知恵を垣間見ることが出来ますね。
うちの畑のそばにはジャングルの中に石垣があって子株が時々生えてくるので何年もかけてそれを取って来ては畑に移植しています。
今では180株ほどに増えましたが収穫株に成長するのに3年もかかるので、収穫出来る量はまだ大したことないですね。
全ての株が大人になるまで気を長くして日々雑草に覆われて負けないように守っています。
栽培する際の注意点は、日陰を好むシダ科植物なので日陰または半日陰じゃないと強い太陽にやられて枯れてしまいます。
なので普通の畑に植えても失敗しますから、必ず木陰または建物の北側の陰に株間を1mは離して植えましょう。
さすがに完ぺきに近い日陰だと成長が遅くなりますけれど。
木陰に植えてさあ安心と思っていたら台風で木の葉っぱがなくなっちゃって日ざらしになって弱っちゃうなんてこともあります。
そういう場合のテクニックとして、あえて周りに生えてくる雑草を伸ばしてある程度覆い、日差しから守るという方法があります。
オオタニワタリ自体は台風にはとても強いですね。
観葉植物としてもいけるので本州での室内栽培にも適していますよ。
時々メイクマンに苗が売っていますね。
さあこれだけ色々オオタニワタリ情報を知ったら味見したくてしょうがなくなって来たでしょう。
ご安心ください、レア食材ですが島の居酒屋さんでメニューとして天ぷらを出している場合があるので
観光の際にはぜひチェックしてみて下さい。
あるいは島野菜の天ぷらセットに1つ2つ混ざっている事もあるので居酒屋さんで確認してみて下さい。
食材としてはJAの産直販売所のゆらてぃくに時々売っていますよ。